サステナビリティトピックス(環境)

日本酸素ホールディングスグループは、革新的なガスソリューションにより社会に新たな価値を提供し、あらゆる産業の発展に貢献するとともに、人と社会と地球の心地よい未来の実現をめざしています。こうした想いを社員全員が共通認識として理解するグループビジョンに込め、グループ一丸となってサステナビリティ経営を推進しています。

サステナビリティの取組みは、グローバル各地で多岐にわたり展開しており、人、社会、そして地球の課題解決に貢献していくことが、社会価値と経済価値を同時に向上させるとともに、当社グループの企業価値の向上にもつながっていくと考えています。

環境日本ベッケンバッハ式石灰焼成炉排ガスからのCO2回収を実証

日本酸素は、上田石灰製造と共同で、宇部ベッケンバッハ式竪型焼成炉の排ガスからCO2を回収する国内初の実証試験を実施しました。試験では、自社開発のCO2回収装置を用いて排ガス中のCO2を98%以上の高濃度で安定的に回収できることを確認しました。本取り組みは、石灰製造工程におけるCO2排出削減に向けた重要な成果であり、CCUS(CO2の回収・利用・貯留)の実装を後押しするものです。今後は実用化・導入展開を進め、産業分野の脱炭素化とカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

CO<sub>2</sub>回収装置

環境日本NEDO「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験/CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験」の業務を受託

日本液炭は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/CO2輸送に関する実証試験/CO2船舶輸送に関する技術開発および実証試験」の業務を一般財団法人エンジニアリング協会からの再委託として受託しました。本業務では、課題の一つとして挙げられる荷役・輸送等の工程における相変化による液化CO2の固体化(ドライアイス化)のリスクの有無を明確にすることを目的として、圧力・温度・流速等の条件変化によるCO2物性挙動変化を把握し、低温低圧CO2のハンドリング上の課題抽出と解決方法の検討のため、試験・研究を進めています。CO2を資源として有効利用するカーボンリサイクルの社会実装に向け、本研究の成果を広く活用することで、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

環境日本「中小規模 CO2排出源向け省エネルギーCO2回収装置の開発」を採択

日本酸素と鳥取大学の共同研究「中小規模CO2排出源向け省エネルギーCO₂回収装置の開発」が、NEDOの「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択されました。本研究では、石灰製造炉やボイラー排ガスなどから排出されるCO2を効率的に回収・高濃度化する革新的な回収技術の開発を進めています。両者の知見を融合し、高性能なCO2吸着材と回収プロセスの実用化を目指すことで、CCUSの普及を支援し、脱炭素社会の実現と2050年カーボンニュートラル達成に貢献します。

CO<sub>2</sub>回収装置外観(イメージ)

CO2回収装置外観(イメージ)

環境日本アルミニウム溶解プロセス向け酸素富化燃焼技術の実証 ~CO2排出量を従来の空気燃焼に比べて最大24.1%削減を実証~

日本酸素は、日本軽金属及び日軽エムシーアルミと共同で、酸素富化燃焼技術を適用したアルミニウム溶解プロセスにおいて、CO2排出量を通常の空気燃焼と比較して最大24.1%削減することを実証しました。2050年カーボンニュートラル実現に向けては、日本国内に約3.7万基存在するとされる工業炉からの温室効果ガス(以下「GHG」)排出削減が急務となっています。日軽エムシーアルミの商用アルミニウム溶解炉に酸素ランス方式(図1)を用いた酸素富化燃焼技術を適用し、酸素濃度が約40%までの条件で溶解試験を実施した結果、従来の空気燃焼と比べ最大24.1%のCO2排出量削減を達成し、省エネルギーとカーボンオフセットにメリットがあることを確認しました。また、酸素リッチな雰囲気に伴いトレードオフの関係となるNOx排出などの環境への影響および製品品質・歩留、操業面や設備への影響がない事や酸素富化濃度および酸素投入位置を最適化することで、更に高効率なアルミニウム溶解実現の可能性も確認できました。今回の実証試験により得られた多くの成果に基づき、アルミニウム製造におけるGHG排出削減へ挑戦を続けていきます。

図1 酸素ランス方式

環境日本サーモスアルバルク東京×サーモス_『リユース容器導入およびマイボトル推進活動

サーモスは、アルバルク東京※とのゴールドパートナー契約のもと、「マイボトル推進プロジェクト」を通じて環境負荷低減に取り組んでいます。ホームゲーム会場では、マイボトルの利用促進に加え、リユース可能な真空断熱タンブラーを活用した「ドリンク容器リユースサービス」を本格導入しました。この取り組みにより、使い捨てドリンク容器の削減と資源循環の推進を図っています。サーモスとアルバルク東京は、今後もスポーツを通じたサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

※東京都をホームタウンとする男子プロバスケットボールチーム。B.LEAGUE(Bリーグ)のトップカテゴリーに所属。

ドリンク容器リユースサービスの様子

ドリンク容器リユースサービスの様子

環境アジア・オセアニア資源循環型炭酸ガス事業をタイで始動

Nippon Sanso Thailandは、タイ東部チャチューンサオ県において、Thai Special Gas Co., Ltd.と共同でバイオ由来の炭酸ガスの製造・販売を目的とする合弁会社Green CO2 Co., Ltd.(以下「Green CO2」)を設立しました。Green CO2は、高品質な炭酸ガス製品の安定供給を通じて資源循環型の炭酸ガスサプライチェーンを構築するとともに、グローバルでのカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。

Green CO² イメージ図

環境欧州鉄鋼加熱炉で水素-酸素燃焼バーナの実証試験に成功

日本酸素とNippon Sanso Europeは、世界最大級の鉄鋼会社ArcelorMittal,S.A.のOlaberria工場で、水素-酸素燃焼バーナ「Innova-Jet Hydrogen」を設置した鉄鋼加熱炉の実証試験に世界で初めて成功しました。今後も世界中の多くの工業炉からCO2排出量を削減するとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することで、様々な工業炉向けの酸素燃焼技術の研究開発を進めていきます。

「Innova-Jet Hydrogen」

「Innova-Jet Hydrogen」

環境欧州新たなCO2液化・ドライアイス製造プラントをドイツ・Zörbigに開設

Nippon Sanso Europe (Germany)は、ドイツ・Zörbigに最先端のCO2精製工場を開設しました。本工場では、隣接するバイオエタノール製造施設から発生する再生可能なバイオ由来CO2を活用し、食品グレードの液化炭酸ガスおよびドライアイスを製造しています。CO2の回収から精製、製品化までを一拠点で完結することで、化石由来CO2への依存低減と輸送効率化を実現し、年間最大38万kmのトラック輸送削減および約330トンのCO2排出削減が見込まれます。本プロジェクトは、食品・モビリティ・農業分野の脱炭素化を支援するとともに、持続可能なサプライチェーンの構築とカーボンニュートラル社会の実現に貢献する取り組みです。

Zörbigの新工場

Zörbigの新工場

環境欧州Nippon Sanso Norwayが新たな空気分離装置建設を決定 水産養殖および地域産業の成長支援と安定供給の強化を目指す

Nippon Sanso Europe (Norway)は、ノルウェー南西部Hjelmelandにおいて、同国内で4基目となる空気分離装置の建設を決定しました。約4億ノルウェークローネを投じ、2027年夏の操業開始を予定しています。本設備は、水産養殖業をはじめ、産業用・食品用・医療用ガスの安定供給体制の強化を目的としており、地域の産業発展と成長を支える基盤となります。また、建設段階での地元企業の活用による雇用創出や地域経済の活性化にも貢献します。プラント稼働後は、地域の脱炭素化推進と持続可能な産業基盤の構築を支援するとともに、社会インフラとしての安定供給のさらなる強化を図ります。

環境日本第三者認証付きCO2フリーガス「グリーン液化窒素」販売開始及び株式会社玉造が採用 鉄鋼加工分野における環境負荷低減に貢献

日本酸素は、三菱商事クリーンエナジーとのオフサイト型コーポレートPPAを通じて、再生可能エネルギー由来電力を長期調達し、第三者認証付きCO2フリーガス「グリーン液化窒素」を販売しており、鉄鋼製品の溶断・加工を手掛ける会社である玉造に採用されました。本製品は、液化酸素・液化窒素・液化アルゴンの製造および輸送に伴うCO2排出を再生可能エネルギーによって実質的にゼロとするものです。国際基準に基づく第三者認証を取得し、環境価値の信頼性を確保しています。
 鉄鋼業界ではサプライチェーン全体での脱炭素化が求められる中、加工工程における環境負荷低減を支援する取り組みとして評価されています。今回の採用により、玉造の製造プロセスにおけるCO2削減や環境配慮型製品の付加価値向上が期待されます。

新設陸上風力

新設陸上風力

環境欧州H2AL プロジェクトに参画

Nippon Sanso Europe (Italy)は、欧州のアルミニウム産業の脱炭素化を目指すH2ALプロジェクト※に参画しています。本プロジェクトは、EUの研究・イノベーション支援プログラム「Horizon Europe」の助成を受け、溶解工程における化石燃料の代替として水素を活用する燃焼技術の開発・実証を推進するものです。Nippon Sanso Europe (Italy)は、酸素燃焼技術、ガスの貯蔵・供給ならびに安全管理に関する知見を提供するとともに、先進的なバーナ技術の欧州向け適用を支援しています。欧州各国の企業、研究機関、公的機関との連携を通じて、産業プロセスの低炭素化を加速し、持続可能なアルミニウムバリューチェーンの構築に貢献しています。

※ EUの助成を受け、「排出削減が困難な産業(HTAI)」、特に直接的な電化が不可能な分野(本プロジェクトにおいてはアルミニウムスクラップのリサイクル分野を主眼に置く)における排出削減に向け、水素100%で稼働可能な産業用バーナ及び関連システムの開発、検証、実証を行うプロジェクト。

H2AL プロジェクト

H2ALプロジェクト関係者

環境欧州環境負荷を低減したエアガス製品の提供開始

Nippon Sanso Europe (Germany)は、液化ガスおよびパイプライン供給のお客様向けに、環境負荷を低減した「Green+(グリーンプラス)」エアガスの提供を開始しました。「Green+」ガスは100%再生可能エネルギーを使用して製造されており、輸送に伴う避けられない排出量については、太陽光発電プロジェクトをはじめとする気候変動対策プロジェクトを通じた、検証済みの排出削減量によって相殺(オフセット)しています。プラスチック加工、ろ過技術、自動車関連などの幅広い分野で早期導入が進んでおり、持続可能な産業ガスソリューションに対するお客様の関心が高まっています。今後は「Green+」の対象をパッケージガス(ボンベ充填ガス)にも拡大していく予定です。

環境社会欧州廃棄物由来の液化バイオメタンの製造と高品質な堆肥の原料生産

Nippon Sanso Europe(Spain)は、バイオメタンのプロジェクトに取り組んでいます。本プラントでは、地域の廃棄物を活用して再生可能エネルギーである液化バイオメタンを製造すると同時に、高品質な堆肥の原料となる有用な農業用副産物も生産します。環境への貢献に加え、雇用の創出や地域経済の活性化を支援し、排出削減目標に沿った、より地域密着型かつ持続可能なエネルギーモデルの強化に寄与することが期待されています。

バイオメタンの製造プラント(外観)

バイオメタンの製造プラント(外観)

環境欧州低環境負荷のシリンダー輸送

Nippon Sanso Europe (Norway)は、低排出の物流ソリューションと新車両の導入を組み合わせることで、シリンダー配送による環境負荷を低減しています。現在、シリンダー輸送の約50%は鉄道で行われており、道路輸送と比較してCO2排出量を大幅に削減しています。同時に、日常配送向けに2台のバイオガストラックと1台の完全電動クレーン車を導入しました。この投資は、特に公共機関や自治体組織からの、排出ゼロの物流に対する高まる顧客需要に応えるものであり、都市の空気質の改善にも役立ちます。これらの施策を合わせることで、よりクリーンで将来対応力のある輸送業務に向けた実践的な一歩となります。

配送向けのバイオガストラック

配送向けのバイオガストラック

環境社会貢献活動日本沖縄をはじめとする世界のサンゴを保全する活動を支援

日本酸素ホールディングス株式会社は、2024年7月より沖縄科学技術大学院大学(OIST)の「OISTサンゴプロジェクト」にスペシャルパートナーとして参画し、環境DNA技術やゲノム解析を活用したサンゴ礁のモニタリング・保全活動を支援しています。この取り組みと連携し、同グループのサーモスは沖縄限定デザインの真空断熱ケータイマグを発売し、売上収益金の一部を、日本酸素ホールディングス株式会社を通じて、サンゴ礁を保全する本プロジェクトに役立てております。さらに、同グループの大陽日酸は「チーム美らサンゴ」にメンバー企業として参画し、サンゴ苗の植え付けを通じて生物多様性の保全と環境意識の向上に貢献しています。グループ全体で連携し、沖縄や世界のサンゴの保全と持続可能な未来の実現に取り組んでいます。

環境欧州持続可能な輸送のための、初の水素トラックを導入

過去5年間、Nippon Gases Europeはドイツで製品配送にガス燃料車両を使用しており、当社のすべてのソリューションにおける持続可能な輸送の実現に向けた取り組みを進めています。2025年1月には、当社初となる水素トラックを導入し、自社製品(特にドライアイス)の配送にこの車両を使用するという、産業ガス業界において自社製品の配送に水素トラックを採用した初の企業となります。水素トラックは排出ガスゼロの代替手段であり、当社のトラックはThe Bad Hönningen siteから周辺地域のお客様へ日々ドライアイスを配送しています。従来のディーゼルトラックと比べて年間最大69,000kgのCO2排出削減が見込まれます。車両は通気口付きのボックス型車体を備え、最大航続距離は450km、燃料補給は15分以内でのフル充填が可能です。

環境日本カレット熔解炉向け水素混焼酸素富化バーナを開発

大陽日酸は、株式会社オハラと温室効果ガス(GHG)排出削減を目的とした新型カレット※熔解炉に使用する水素混焼酸素富化バーナを共同で開発しました。
開発した水素混焼酸素富化バーナは、カレット熔解炉の燃焼に用いられ、酸素濃度および天然ガスと水素の混合比率を適宜切り替えることが可能です。模擬カレット熔解炉試験では、酸素濃度を25%、30%、40%の3条件および水素混焼率を10%、20%、30%の3条件で実施し、いずれの方法でも、空気バーナに比べて、最大62%から29%のGHG排出削減を達成しました(詳細は図1参照)。また、従来の空気バーナと同等の加熱性能(昇温性、均熱性)を持ち、排気ガスの中に含まれるNOx濃度は排出基準値を下回る結果となりました。
今後も当社はカーボンニュートラル(CN)へ向けた様々な工業炉プロセスへの酸素燃焼技術適用に向けた技術開発を進めます。

※ カレットとは細かく砕いた破片状のガラスのこと。

環境日本CO2排出量を80%削減した酸素燃焼技術を用いた省エネ型の熱処理用ガス変成技術を開発

大陽日酸は、酸素燃焼※技術を利用した熱処理炉向け変成ガス発生プロセスを開発しました。
従来技術ではLPガスや都市ガスなどの炭化水素系ガス、空気とニッケル触媒を用いており、電気加熱による多量の電力消費が必要でした。当社は、長年培ってきた酸素燃焼技術により、触媒反応で求められる熱量を可燃性ガスの酸素燃焼で発生する熱によりまかなうプロセスを開発することで、大幅なエネルギー削減が可能となり、80%のCO2排出削減を達成しました。開発したプロセス技術を活用し、浸炭、焼鈍、焼結などの熱処理を行うユーザーをターゲットとして、熱処理炉向けの実用検討を進め、本技術の早期の商品化を目指します。

※ 酸素燃焼は、支燃性ガスとして、酸素あるいは酸素濃度を高めたガスを用いた燃焼のことです。

図 酸素燃焼技術を利用した熱処理炉向け変成ガス発生プロセス

環境日本ガラス製造プロセス向け酸素燃焼バーナ「Innova-Jet® Forehearth」実証

大陽日酸とNippon Gases Euro-Holding S.L.U.は、欧州の顧客の生産設備であるフォアハース※に「Innova-Jet® Forehearth」を導入し、実証試験を実施しました。従来12基設置されていた空気燃焼バーナを「Innova-Jet® Forehearth」4基に削減し試験を行った結果、局所過熱等の異常なくフォアハースを均一に加熱できること、また従来と比較して燃料を65%削減できることを実証しました。当社は、今後もガラス製造プロセスをはじめ各種工業分野のCO2排出量を削減しカーボンニュートラル(CN)社会実現に貢献するため、様々な工業炉プロセスへの酸素燃焼技術適用に向けた技術開発を進めています。

※ フォアハースはガラス溶解炉で溶融されたガラスを、瓶や繊維に成型する成型機に分配する役割を担っており、長いトンネル状の形状を有しています。フォアハースではガラスを溶融状態に維持するために、フォアハース内は均一かつ高い温度に保つ必要があります。

環境日本水素燃焼式排ガス処理装置「Blisters Burner H2」を販売開始

大陽日酸は、水素(H2)ガスを燃料にすることで燃料由来の温室効果ガスを排出しない、半導体分野向け排ガス処理装置の販売を2024年4月より開始しました。本装置は水素火炎を処理ガスに効果的に接触・混合させることができるバーナ部構造とすることで、従来の化石燃料を用いた燃焼処理と比較して、PFC※除害において30~50%のエネルギー削減が可能となりました。また、従来の化石燃料を用いた既存製品「Blisters Burner®」から、軽微な変更でH2燃料仕様に変更することができる構造としたことも特徴であり、将来的なH2燃料需要の増加を見込んだ設計となっております。
今後も世界的なカーボンニュートラルに対する取り組みなど、時代に合わせた最適な排ガス処理装置を開発・販売してまいります。

※ FCは炭素とフッ素が結合した化合物のこと。

「Blisters Burner H2」の外観